ゴーヤーチャンプルーとチャンプルー文化
チャンプルーは琉球語で「混合・融合する」というような意味があり、特に暑い時期で食欲が減退した時でも、ふんだんに野菜のビタミン・ミネラルや、豆腐や肉のタンパク質、肉や調理油の脂質といった各種栄養が取れるよう工夫されている。このチャンプルー、ゴーヤーに限らず様々な材料を一緒にして炒める料理で、メインにどのような材料を使うかで名前が変わってくる。例えば素麺をメインにするならソーミンチャンプルー、麩をメインにするならフーチャンプルーといった具合だ。しかし今回は僕の個人的な理由で大好物なゴーヤーに注目したい。
近頃は沖縄食文化が本土にも随分と浸透してきているので、あなたの街にある八百屋でも苦労することなくゴーヤーを購入できるだろう。旬は夏前から夏のおわりにかけてで、その時期は経験上1本100円ほどで購入でき、運がよければオツトメ品2本で100円という格安で買えたりもする。しかし今時分のような冬にはさすがに見つけにくく、スーパーマーケットにあるにはあるが夏に買えるものの半分くらいの大きさのものが1本298円もしたりする。
まあ食べ物は旬の時期に食べるのが体にも財布にもいいので僕なんかは冬には絶対買わないんすけど、先日、沖縄にどっぷりハマって以来たまに各地離島にバックパックを背負って1ヶ月程ふらりと出かけたりする年少の友人のO君が拙宅に遊びにきた際に彼が、鍋もええなあ!えええええやややや〜それプラスどーしても現地で習ったゴーヤーチャンプルーが作りたいいいいい!作りたいわああ!、とアホのように絶叫するのでしょうがなく二人でスーパーマーケットに出かけたところ、小さく弱々しいゴーヤーがそれでも298円であった。しかしO君は迷わずそれを買物カゴへ投入。いま小生のお財布はビンボー。しかしもういい大人である自分、いやワタシは、ははは年若いやつはやはりモノをよく知らない、家計や旬のことを常に考えて行動するオレ様はやはり大人だ、おほほほほん、と咳ばらいをしつつ、冷汗をかく自分を心の中で必至に言い聞かせ、だまってレジにこのカゴを持って行ったワタシはやはり大人、いや、大人物である。じ〜ん。このじ〜ん、とはこの大人な自分に心を打たれた自分が涙を目にためる瞬間の音さ。もしくは財布の中身を見た時に自分が目に涙をためた瞬間の音。
話が逸れてしまった。このゴーヤーチャンプルーそもそも調理法はどのようなものなのか。これは作り手やレシピ本等々で方法が異なるので、今回はいつも自分が作っているやり方、ザ・ドクダントヘンケンでこのゴーヤーチャンプルーという料理を紹介したい。
まずはゴーヤーをタテに真二つにカット。中心に綿のような種が詰まっているのでそれをスプーンなどでかき出す。このワタ部分が苦いので、ゴーヤーの苦みが苦手な人はキレイに取り除き水洗いするとよい。キレイに洗った半分のゴーヤーを3mmから5mmの薄切りにする。この厚さで苦みの感じ方が違うので好みの厚みにするとよい。この薄切りにしたゴーヤーに塩をふって揉むと緑色の水が出て苦みが押さえられるというので自分はそうしているが、ある友人はこの独特の苦味が好きだそうで、この行程はカットするそうだ。
ゴーヤーの水出しをしている間に豆腐を布巾やキッチンペーパーで包んで重石をして水気を切る。本当なら水分のあまりない沖縄の豆腐である島豆腐を使えば簡単だが、少々値段がハルしあまりお目にかかれないので、自分は木綿豆腐で代用している。
よく熱したフライパンにゴマ油をしき、水抜きした豆腐をちぎって入れる。正しい理由は知らないが、これは包丁で切ったきれいな断面より、不規則な凹凸のある断面の方が、豆腐に味がよくしみ込むからだと自分は解釈しているし、どうせ炒めている最中に豆腐の形は崩れる。これにコゲがかるく付いたあたりで豚肉を投入。ある程度火が通ればゴーヤーを投入する。自分はシャキシャキとした食感が好きなので、そのようにいい塩梅まで炒めた後、ここで泡盛を投入。これがフライパンに当たった時のジューという音と上がってくる蒸気がたまらない。アルコールがとんだら塩胡椒で味を整え、気分でフライパン淵に醤油を少々たらして焦がすのも風味がある。火を止めて、溶き卵を加えたら最後にカツオ節をかけて、さあ召し上がれ。とこう書いているだけで、あああ、ほっぺの奥の方からヨダレが出すぎてその部分が少しくいたい。この感覚が昔の人がよくいった、んもうわいほっぺたが落ちそうやわあ、という感覚なのだろうなあ。
とまあこんな料理です。材料や泡盛を入れるタイミングや順番、オススメの食材等、こいつがもっと美味しくなるオススメの方法があればみんなどしどし教えてくれよな。
さて、沖縄は古くから中国文化の影響を受けてきたほか、江戸時代の薩摩藩による支配、明治以降の日本政府による統治、第二次世界大戦後のアメリカ軍による統治を経験し、それぞれの文化と接することで常に影響を受け続けてきた。それらを柔軟に受け入れて、独自に生み出された沖縄の文化を、料理のチャンプルーに似ていることから「チャンプルー文化」と呼ぶことがあるそうだ。
これはわれわれの島国ニッポンにも同じようなことが言えるのではないだろうか。われわれの先祖達は、伝わりくる大陸文化を日本というフィルターを通すことで、それらを独自の誇るべき列島文化へと昇華してきた。文化をチャンプルーし自分を取り巻く世界以外をみることで、自分の世界というものをあらためて認識できるだろうし、そしてそれらを比較し吟味し、自分というフィルターを通してミックスすることで確実に新しい考え方が生まれるだろう。そこで生まれた考え方こそが新たな文化を形成していくのだと私は思う。文化は固定されたものではない。文化とは常に現在進行形で自分達自身で作っていく形のないものなのだ。
ま、なにが言いたいかっていうと、たとえば遊びに行くんでもひとつの世界に閉じこもってるよりいろんな世界を見たほうが単純におもろいんちゃう〜チャンプルーサンセイってなかんじスカネ!それに、違う文化を知ることで自分が属する文化をより深く愛することができるきっかけになるとも強く思う。誰かが言った。同じ文化の違う世代よりも違う文化の同じ世代、そういう時代。スカネ!
コメント
ゴーヤ好き好き!
たろささん、相変わらず楽しい文章をありがとうございます。
私もこのゴーヤちゃんぷるの大ファンです。
私の田舎は四国の愛媛という所なのですが、去年の帰郷した際夕餉の食卓に大皿一杯のゴーヤちゃんぷるが出てきました。
私は好きだからどうもなかったのですが、どうやら実家に人たちの間ではウケがわるいようで、「どないしたん?」って聞いたところ、「あれ、見てみ!」といって指さした先にゴーヤの山を発見。
「なんで、こんなにゴーヤあんの?」って聞いたところ、「姉ちゃんが作りすぎたんや!」って。尋常じゃない量のゴーヤ。
嫁いだ先でゴーヤ農家でも始めたのか?と思うほどの量でした。
よくよく聞いてみたところ、「古くなったゴーヤを庭先に捨てた」らしく、勝手に生えてくるは、くるはで結局売りに行く程の量が出来たらしい。
この屈強な生命力をもったゴーヤ故の旨さかな?とそれ以来食べる度にしみじみ思う今日この頃です。
- 2007/02/06(火) 18:54:08 |
- URL |
- たかし #mWQBed8c
- [ 編集 ]
うまうまゴーヤーチャンプルー
私もゴーヤーチャンプルーを作ったことがあります〜〜。ゴーヤー、豆腐、卵、かつお、ごま油…、おいしいもん同士が混ざり合ったらそりゃあすごいコラボレーションですよね。
タロウくんのおっしゃるとおり、最近では手軽にスーパーで買える時代になりましたよねえ。子供のころはゴーヤーを見たこともなかったのになあ。便利な時代になりました☆ゴーヤーは夏に出回る野菜だからこその栄養素(ビタミンC、ミネラル、葉酸など)がたっぷり含まれているので夏バテにいいといわれますよね。今年の夏はたらふく食べて夏を乗り切ろうと思いまっす。
自分で作ったことのあるゴーヤーチャンプルーですが、現地で食べたことがまだありません。本場の「ちゅらなねーねー」や「おばあ」が作ってくれるチャンプルーはどんな味がするのかな〜?
ビバ!ゴーヤ!
たかしさん
その話すごいっす!
勝手に生えてくるって!!
自分も庭先に古くなったの捨ててみようかなー
KAORIさん
ぼくも現地で喰ったことはないンすけど
多分ちゅらなねーねーが作ってくれるチャンプルーはちょっと味付けが薄いんす!ねーねーはそれを気にして聞いてくるんすけど、全然うまい!、の台詞でほっぺが少し桜色、ってなかんじすかね!
おばあのはなんか泡盛ロックが合いそうな骨太系の味かなと想像します!それを現地の漁師と食べます!
- 2007/02/20(火) 15:22:42 |
- URL |
- たろう #-
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